東日本大震災の被災地では、医療現場が危機に陥っている。最大の問題はロジスティックス(物流・兵站)の途絶だ。

現在、筆者は「地震医療ネット」を立ち上げ、情報共有を進めている。「日常で汎用される降圧剤、高脂血症薬、抗凝固剤等が震災で失われ、在庫もほとんどない」「抗生物質や湿布、鎮痛剤等が次第に減っていき、利用を制限している」という声が寄せられている(3月18日現在)。1308床の東北大学病院ですら「CT検査のための造影剤はあと1週間分しかない」という状況だ。