「エモい」を表現する、世界300人のカメラマンネットワーク

【田原】いま契約しているカメラマンは何人くらいですか?

【駒下】約300人です。最近は日本だけじゃなく、海外のネットワークも広がっています。

【田原】海外はどこ?

【駒下】最初はオハイオでした。日本で活動していたカメラマンがオハイオに移住することになって、始めてみようかなと。次はカナダのトロント。これはお金をもらって撮るのではなく、僕たちに共感してくれた現地のカメラマンが自分の作品をラブグラフのサイトにアップするスタイルです。あとオーストラリアだったり、アメリカのロサンゼルスだったり。まだ現地に行ってないので、僕も行きたいんですけどね。

【田原】そこが不思議なんだよ。普通は本人が現地に行ってメッセージを伝えたりして広がっていくものでしょう。駒下さんは何もしてないのに、どうして仲間が増えるんだろう?

【駒下】SNSの影響は大きいと思います。「#ラブグラフ」というハッシュタグがツイッターで人気になって、多くのお客さんやカメラマンに知ってもらえた。カナダやアメリカのカメラマンもSNSがきっかけでした。

【田原】そうですか。駒下さんとお話ししていても、野心満々で「行くぞ」というタイプに見えない。それなのにどんどん広がっていくのがおもしろい。

【駒下】ほんと、大きくしようと思って起業したわけではないんです。これをやれば人に喜んでもらえるということが、たまたま新しくてニーズがあることだったから大きくなった。僕としては、目を瞑ってバットを振ったら、偶然ボールに当たってヒットになった感じです。

プロカメラマンが、9800円から出張撮影

【田原】料金はいくらですか。

【駒下】9800円と1万9800円の2つのプランがあります。後者のプランだと、全国どこへでも行って、写真データを50枚以上納品。お客様は6~7割がご家族です。もともと写真館で撮影していたご家族が、もっと自然な写真が欲しいと考えてご依頼されるケースが多いです。前者の安いプランは、若いカップルのお客様が多いかな。

【田原】カップルの撮影は、デートにくっついていくわけ?

【駒下】デートに同行するというより、デートコースの一部として撮影するパターンが多いです。たとえば葛西臨海公園で撮影して、その後はお二人でディズニーランドへ、とか。

【田原】出張撮影の競合はありますか?

【駒下】いくつかあります。ただ、写真のテイストやクオリティが違います。ほかのサービスはポーズを決めて撮るスタイルですが、僕たちは自然な表情が売りです。あと違うのは補正。他のサービスは撮ったまんまを納品することが多いですが、僕たちはいわゆる“インスタ映え”するように色味を補正してお渡ししています。一般の方だと、この加工の部分が案外難しい。そこを任せられるのもラブグラフの人気が高い利用の1つだと思います。