ビジョンに共感した全国のカメラマンが、次々参加
【田原】派遣するカメラマンは社員?
【駒下】業務委託契約です。法人化の時点で約30人の仲間が全国にいました。
【田原】フリーランスなら、自分で直接やればいいのに。どうしてラブクラフと契約するんだろう?
【駒下】僕たちの掲げる「幸せな瞬間を、もっと世界に。」というビジョンに共感してくれたからだと思います。家族やカップルで幸せに暮らしていても、日々生きていくうちにその状態に慣れて、幸せの感度が下がってしまうことがあります。僕たちは、いま幸せなんだ!ということを、写真を通してあらためてかみしめてもらいたい。そうすれば世界中の人々が幸せになれるんじゃないかとSNSで発信し続けていたら、それに共感してくれるカメラマンが集まってくれました。
【田原】法人化はお金もかかるでしょう。雇用じゃなくて業務委託でフリーに発注する形なら、法人にしなくてもよかったんじゃないですか?
【駒下】会社にしたのは、企業との取引が増えてきたからという理由もあります。たとえばリクルートさんの結婚情報誌「ゼクシィ」の広告写真を提供したり、富士フイルムさんの写真教室の講師をしたり。企業と仕事をするときは法人のほうが信用してもらえるので、覚悟を決めて株式会社にしました。お金はそれほどかからなかったです。資本金は30万円。登記に25万円ほどかかりましたが、個人の撮影で稼いだお金で賄えました。
【田原】法人化後はどうですか。ウェブサイトの閲覧も増えた?
【駒下】月に30万~50万PVに増えました。いまはもっと多いです。
【田原】繰り返し聞いて申し訳ない。どうしてそんなに多くの人が見てくれるんだろう?
【駒下】どうしてでしょうね。「ラブグラフを見ているとほっこりする」という感想が多いですが……。
【田原】「ほっこり」ってどういうことですか。最近「エモい」って言葉を聞いて覚えたけど、それとは違う?
【駒下】ほっこりは、なんとなく優しい気持ちになれること。エモいも、そんなに違わないです。もともとはエモーショナルなものを指してエモいと言っていましたが、最近はうまく言語化できないけれど感動したときに使うようになっています。古文の「いとおかし」、一昔前の「ヤバい」と同じかな。