ミスコンで、カメラ好きの先輩に出会う

【田原】関大に入学したのは2012年。大学では何を?

ラブグラフ代表取締役社長 駒下純兵氏

【駒下】ミスコンを運営する学生団体に入りました。年末にミス関大とミスター関大を決めるイベントがあって、その運営費を集めるためにスポンサーを引っ張ってきたり、学生に来てもらうために広報をするといった活動をしていました。

【田原】ミスコンって何人くらいの人からミスやミスターを選ぶの?

【駒下】だいたい30人ずつです。候補は応募だったり、スカウトだったり。5、6月の段階でSNS投票と面接をして6人に絞り、年末のイベントで最終的に決定するという流れでした。

【田原】ミスコンっておもしろいのかなあ?

【駒下】学生団体に入る前にほかのサークルにも行きましたが、あまり楽しくなくて。営業や広報のようにサークルでは軽々とできないことが、学生団体ならできると聞いて参加しました。ただ、実際に僕がやったのは候補者を撮影するカメラマンでしたが。

【田原】営業じゃなくて?

【駒下】はい。団体で知り合った先輩が、ミス関大の女性を楽しそうに撮影していたんです。それを見て僕もやってみたくなって、カメラを買ったらハマりました。

【田原】僕もカメラを買って撮った経験があるけど、全然ハマらなかった。どこが魅力だった?

【駒下】カメラで僕の初めてのアイデンティティができた感覚でした。それまで趣味も特技もなかったのに、友達を撮っているうちに、「こまげといえばカメラ」とキャラがつくようになって。それがうれしくて、さらにハマっていきました。

【田原】こまげ? コマシタさんじゃなくて?

【駒下】あ、学生時代からのあだ名です。

【田原】友達は、どうして駒下さんに写真を頼むんだろう?

【駒下】後から聞いたのは、「こまげの写真は温かい写真が多いな」という意見でした。僕はポーズの指示をしなくて、友達が遊んでいるところをそのまま撮ることが多かった。写真の中で、みんなが自然な表情をしているから、気に入ってもらえたのかなと思っています。

【田原】趣味ではなく仕事にしようと思ったのはいつごろからですか?

【駒下】きっかけはやはりミスコンでした。年末に最終イベントがあって、実行委員はみんな感極まって泣いていた。でも、僕は達成感がなくて、涙が出なかった。どうして泣けないのかと思って考えたら、自分のために写真を撮っていたからだと気づきました。最初は友達に喜んでもらいたくて撮っていたのに、いつのまにか自分の写真を見てほしい、もっと有名になりたいというモチベーションに変わっていたんです。でも、結局それじゃワクワクしない。やっぱり人に喜んでもらいたくて、そこからカップルの写真を撮り始めました。