「上流」は貯蓄のできる年収1500万円超の世帯

はたして上流にステップアップする方法はあるのか。

「専業主婦が多い世代ですから、妻が働いて収入アップするのが最善の策でしょう」(同)

一方、20代、30代は下流からの脱出を試みている。

「若い世代は、物心ついたときにすでに不況だったので、贅沢はせず、貯金する傾向にあります」(同)

では、どの程度の年収を稼げば幸せに暮らせるのか。

国税庁の「民間給与実態統計調査」(15年)によると、最も層が厚い給与階級は年収301万~400万円で全体の17.5%。繰り返すが平均値を取ったからといってこの層が「中流」になるわけではない。それに、調査対象者には「働くママ」層も含まれている。

「40代、50代を中心に考えると、年収の中央値は500万~600万円。もし年収だけで定義するならこの層が『中流』、半数以上の世帯が貯蓄ゼロである年収300万円以下が『下流』、ある程度お金を使っても貯蓄のできる年収1500万円超が『上流』だと言えます」(同)

今回、年収600万円を超えているのに無貯金率が上がってしまう逆転現象が起きていることがわかった。今後は「年収×年代」で自分の立ち位置を把握していくことが必要だ。

ほんの一握りの上流層以外、一億総ジリ貧といった様相。この時代を生き抜くための術をテーマ別に解説していきたい。