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引き抜きから2年で年収800万アップ

もしも、破格の報酬でヘッドハンティングされたら――。そんな夢を抱いたことはないだろうか。

実際、欧米の会社ではよくある話だが「日本の会社では極めて少ない」と指摘するのは、サーチファーム・ジャパンの武元康明氏だ。欧米と日本では、人材評価のポイントが違うという。

「私が面談で見ているのは相手の心(しん)・技(ぎ)・体(たい)です」

簡単に言えば、心は「人間性や思考行動特性・資質・動機」、技は「専門知識・知能スキル」、体は「第一印象・行為・態度」。この3つのバランスが日本企業の採用では重視されるが、欧米企業の採用では“技”に偏る。

欧米に対し、心・技・体を見る日本企業は、人材の価値判断が簡単ではない。とくに「心」は、入社後の仕事ぶりを見なければ判断できない面もある。そのため、当初から破格の報酬を提示するのではなく、入社してから徐々にアップさせるケースが多いという。

武元氏が手がけた案件には、次のようなケースもあるという。

「新卒採用ではしずかちゃんタイプが重宝される」

仮にAさんとしよう。Aさんはある会社からヘッドハンティングの誘いを受けた。しかし、提示された年収は1200万円。そのときの年収は2000万円だったから、大幅なダウンだ。それでもAさんは、やりがいを優先して、その誘いを受けた。約2年が経過したいま、Aさんの年収は2000万円までアップしているという。

Aさんのような人材になるにはどうすればいいか。前述の心・技・体を向上させることに尽きるが、それをもっとわかりやすくするために、人間性を4つのタイプに分類した。

縦軸を「自信(自己肯定感)」、横軸を「協調性(他者軽視度)」とし、自信があって協調性のある左上をドラえもんの登場人物のしずかちゃんに例える。一方で自信はあるが、協調性のない右上がジャイアン。ほかの2つはスネ夫とのび太になる。

「新卒採用ではしずかちゃんタイプが重宝されます。しかし、グローバル社会で日本企業がライバルとなる欧米や中国・韓国等の人々と対峙するには、ジャイアンの要素も必要です。そのため転職市場では、しずかちゃんにジャイアンの要素を併せ持った人材が高い評価を得ることがあります」(武元氏)

では、しずかちゃんが市場価値をさらに高めるにはどうすればいいか。

「しずかちゃんタイプがジャイアンタイプと渡り合うためには、レジリエンス(折れない心、胆力)を高めることも必要でしょう。まずは自分がどのタイプかを自覚することです」(同)