「寝ても寝ても疲れがとれない」――快眠や疲労回復のための情報は溢れているが、いったいどれが正しいのか。疲労回復と睡眠に関する専門家である医師の梶本修身氏が、「今日から始めるべき、就寝前&起床後の生活習慣」を解説。ビジネス誌「プレジデント」(2018年9月17日号)の特集「頭がよくなる睡眠、バカになる睡眠」より、記事の一部をお届けします。

「良質な睡眠」でしか、疲れは改善できない

「最近、すぐ疲れて日中も眠い」「寝ても疲れがとれない」「夜中に目覚めたり、早く起きてしまう」といった不調を感じてはいないだろうか。

「今の医学では、良質な睡眠をとること以外で、こうした疲労を回復させる方法はありません」と断言するのは、東京疲労・睡眠クリニックの梶本修身院長だ。疲労医学を専門とする梶本氏は、疲労の原因、軽減物質、克服法の開発や研究を行いながら、疲労や睡眠障害に悩む患者の治療にあたっている。そして長年の研究のなかで、「肉体的疲労も精神的疲労も疲れの仕組みは同じで、自律神経の中枢の疲れが原因」であることをつきとめた。