ハーバード大学ロースクールから投資銀行に進み、その後、作家となったアキール・シャルマ氏。投資銀行では年間70万ドル(約7000万円)の報酬を得ていたが、それよりも「作品を通じて、自分の話を聞いてほしいと思った」と話す。「話を聞く」とは、どういうことなのか——。

※本稿は、「プレジデント」(2018年6月18日号の特集「聞く力 入門」の記事を再編集したものです。

自己満足が真実を聞き逃す

誰かの話を聞くときに、大事なことは3つあると思います。まず、当たり前ですが相手の話を途中でさえぎらないこと。それから、相手の話に合わせて何か反応しなくては、と思わないことです。どう反応しようか考えているうちに、相手の言葉を聞き逃してしまうかもしれませんから。

作家 アキール・シャルマ氏

そしてもうひとつ大事なことは、自分の心の動きに注意することです。相手の話を聞くこと以外の、なにか自己満足的な動機が生まれていないかどうか。なにか気の利いたことを言おうとか、ユーモアのセンスがあるところを見せようと人はしばしば思うものですが、聞き手が本当にしなければいけないことは、相手の言葉の中の真実をつかむことのはずです。本当は、聞く側はずっと黙っているべきなのかもしれません。