人とのコミュニケーションには言葉が欠かせない。言葉を駆使して人生を勝ち上がる人は、どこが違うのか。各界を代表するプロフェッショナルに極意を聞いた。第1回は、アサヒグループホールディングスの泉谷直木会長だ――。(全4回)

※本稿は、雑誌「プレジデント」(2018年6月18日号)の特集「聞く力入門」の記事を再編集したものです。

「聞く」「訊く」「聴く」の3段階

コミュニケーションという言葉は、日本語で「伝達」などと訳しますが、私はむしろ「伝達し合うこと」というべきではないかと思っています。一方的に伝えるのではなく、互いに伝達し合い、キャッチボールを繰り返すことで合意に至り、やがて新たな価値をつくり出す。その際に大事なことは、相手の話を「聞く」ということです。