大切な老後資金を守り、増やすためにはどうすればいいのか。「プレジデント」(2018年4月2日号)では、だれもが直面する「悩ましすぎる10大テーマ」について、Q&A形式で識者に聞いた。第9回は「住宅ローンは、繰り上げ返済か、借り換えか」――。

住宅ローンは、繰り上げ返済か、借り換えか

毎月の住宅ローンの支払いに上乗せして返済するのが繰り上げ返済。繰り上げ返済は、通常の返済とは異なり、元金の返済に充てられるので、発生する利息を減らせる利点がある。

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仮に、3000万円の住宅ローンを、金利2.3%、返済期間を35年返済で組んでいたとして、返済開始1年後に100万円の繰り上げ返済をすると、その利息の節約額は、約114万円にもなるという。ならば急いで繰り上げ返済を、となるところだが、「ちょっと待って」とファイナンシャルプランナーの大竹のり子さんは言う。

「住宅ローンは金額が大きいので、早く返済しなくてはというプレッシャーを感じてしまうのですが、住宅ローンは最も金利の低い恵まれたローンです。カードローンなど金利の高い借金があるなら、まず金利の高いほうの返済に優先して充てるのが鉄則です」

金利とともにポイントとなるのが優遇制度だと大竹さんは指摘する。住宅ローンの残高に応じて一定額が所得税などから控除される住宅ローン控除制度。住宅ローンを組んだサラリーマンは10年間、税金が優遇される。