現代は、さまざまな要因でストレスがたまりやすい。そのような要因を、笑いに変えて解消することで、心の「デトックス」になる。
どんな笑いでも一定の効果があるが、特に意味があるのが、ストレスの原因になっていることを笑いにすることで、相対化することである。
心の中で大きな意味を持ってしまっていた「気にかかること」を、笑いにすることで小さくしてしまう。そのことで、前向きに生きることができるようになるのである。
現代社会においては、政治的な問題は、多くの人にとってストレスの原因になることが多い。とりわけ、意見が対立するような事柄については、つい、感情的にもなりがちである。
そのような際に、コメディアンがそれを笑いに変えることで、社会の中のさまざまな人の気持ちをほぐすことができる。結果として、心や身体の健康が増進される。
つまり、コメディアンたちは、一種の「予防医学」を担当する、笑いのお医者さん、と言うことができるのである。
アメリカでは、政治の問題に加えて、差別、格差、偏見と言った社会的問題が人々のストレス要因になっている。これらのテーマについて、コメディアンが笑いを提供していることの意義は大きい。
人生の中で、気になること、心にかかることがあったら、笑いにしてしまうのがいい。
笑いは、百薬の長。処方は、自分でする。
そんな流儀を身につけるうえで、アメリカのコメディは、大いに参考になる。
(写真=AFLO)