中国にシャインマスカットの苗木が渡った

さらに流出は続きます。今度はシャインマスカットの苗木が中国に渡り、現地で「食味極上」「品質抜群」との宣伝文句とともにネット販売されていることが明らかになりました。07年から5年間で中国の24の地域にて、勝手に栽培されていることをシャインマスカット開発元の農研機構(茨城県つくば市)が現地調査で確認しています。

農作物の新品種を生み出すためには深い知識や経験、膨大な費用と時間が必要です。苦労して生み出した新品種を勝手に栽培・販売されないよう、農林水産大臣へ「品種登録」することで、その品種の販売目的の増殖と販売権が認められるようになっています。

同機構は、今回の流出の原因とされる品種登録を中国でしておらず、その理由について「輸出は考慮していなかったから」としています。品種登録をしていれば勝手にシャインマスカットを栽培・販売する相手へロイヤルティを請求することができていたわけです。それを聞くと品種登録を怠った対応に不満が出てしまいそうですが、問題の本質は流出への意識の欠落ではなく、出願へのハードルの高さのほうだと考えています。

フルーツの流出を防止するための品種登録は10年という長い品種登録期間に加え、年間数十万円という高額な審査料を国ごとに払う必要があります。こんなにも品種登録の高いハードルを超えて、すべてのフルーツをすべての国で品種登録するということは現実的ではありません。

過去にはさくらんぼやカーネーションが、海外に流出したことが問題になっています。法の見直しが必要なときがきているのかもしれません。