買い物をしているとき、「高いなあ、○○円なら買うんだけどなあ」、などと思うことはないだろうか。

買い物にも、ビジネスにも、見積もり感覚が必要だ。買い物は、お金とモノやサービスを交換することである。定期代を払って電車に乗り、コーヒーを買い、ランチを食べ、本を買うなど、1日に10回の交換(取引)をすれば、1年で3650回もの取引をすることになる。この1回、1回で受け取る対価が差し出す金額を上回っていれば、得がどんどん膨らむことになる。「この製品にはどれだけの原価がかかり、どれだけの利益が乗せられているのか」「それは受け取る側として納得できるものか」といった思考を働かせることが「見積もり感覚」であり、見積もり感覚がある人は、損な取引をしないで済む。

(高橋晴美=構成 ライヴ・アート=図版作成)