医薬品流通の国際基準「GDP」にも対応

2017年6月には、より厳密な温度管理ができる「テンプジョン(TempJohn)」というクラウド型システムを開発、発表した。

箱を空けずにBluetoothで温度計測器(温度ロガー)に接続。

テンプジョンでは、保冷ボックス内に取り付けた手のひらサイズの温度計測器(温度ロガー)を通じて、クラウド上で温度管理をするものだ。ボックス内の温度が設定から外れると、メールでアラームが通知される。

これまで温度を記録するにはボックスのふたを開け、中にある温度ロガーを確認する必要があった。だが、これでは開閉時の温度上昇で貨物に悪影響がある。テンプジョンを使えば、ボックスを開ける必要がない。

医薬品流通をめぐっては、2019年までに国際基準である「GDP(Good Distribution Practices)」への対応が求められている。GDPでは、医薬品が製造工場から出荷されて、患者に届くまでの物流課程において、品質の確保、温度管理、偽造医薬品対策などが必要となる。テンプジョンはいち早くGDPに対応したシステムとして、「問い合わせが多い」(西田)という。

もうひとつ、同社が誇るサービスが空港での定温輸出梱包サービス「パックプロ」である。

一般的に日本から輸出される貨物は、荷主の工場などから梱包会社に運ばれ、梱包後、空港の「保税蔵置場」に保管されてから、飛行機に搭載される。一方、パックプロでは、工場から直接空港に運んでも、即日、飛行機に搭載できる。ワコンは関西空港と成田空港に自社のロジスティクセンターを持っているため、その場で輸出梱包を行い、定温庫に保管、通関手続きも代行できるからだ。

この仕組みにより、これまで発送に数日かかっていたものが、翌日には相手に届けられるようになった。なおかつ、出国3時間前まで定温庫に保管できるため、貨物の品質を維持できる。厳密な温度管理の必要な医薬品や化学原料でのニーズが多いという。