文句を言われても断固「やらない」

政治家は忙しい。国会議員ともなればなおさらだろう。

「私は1年365日働くことを前提にしています。仕事の柱は3本あり、現職の国会議員として、次の選挙の候補者として、そして母親としての仕事です。この3本柱をどううまく組み合わせるのか常に考えています」

衆議院議員 野田聖子氏

こう語るのは野田聖子衆議院議員である。その言葉どおり、1週間のスケジュールは休みなしだ。原則、月~金は東京、土日は地元選挙区の岐阜で活動する。24時間を最大限に活用するため、余計な仕事を整理するよう心がけている。その一つが取捨選択だという。

「国会議員というのは受け身の仕事です。役所からのレクチャーの依頼、支援者の方たちの陳情などで、その取捨選択がすごく重要です。お断りする率の高いものは、日にち指定の講演があります。私の予定は3年先まで決まっているものもありますので、あらためて調整していただける場合はお受けすることもあります」

陳情などの対応は、ほとんど秘書に任せているという。「秘書のほうが私より動けますから。私本人が対応しないと文句を言う人もいるけれど、私がやるより早く対応できるのでそのほうがいい」と野田さんはきっぱり言う。

こうして取捨選択をしながら1日のスケジュールを組み立てていくわけだが、その手法がユニークだ。予定は「夜」、つまり酒席から埋まっていく。「私は酒豪ですから、夜は原則断りません」と野田さんは笑うが、これも大事な仕事である。

「昼間は人と話が進まないんです。こう見えてシャイだから(笑)。夜、一杯飲んで、胸襟を開いて話をすると、昼間には意思疎通が図れない人や、初対面ではとっつきにくいと思った人でも、意外に話が進みます。このスタイルで20数年やってきて、これが成功の秘訣かなと思っています」