トランプ氏がアメリカの次期大統領に決まり、日本の株価は大幅に上昇。NYダウ平均株価も上昇を続けている。2017年もこの「トランプバブル」が続くのか。
写真=時事通信フォト

米国バブルに踊る日経平均の行方

トランプ氏が米国次期大統領に決まって以来、日米の株価が大幅に上昇。アメリカでは、株高、長期金利高、ドル高の「トリプル高」となり、その経済政策は早くも「トランポノミクス」と呼ばれている。しかし、第一生命経済研究所 経済調査部・首席エコノミストの永濱利廣氏は、「今(2016年12月15日現在)は非常にポジティブな動きを見せているが、楽観視はできない」と語る。

「今、市場がポジティブな反応をしているのは、トランプ政権が打ち出す予定の大幅減税、インフラ投資を中心とした公共事業などの景気対策、金融や環境分野での規制緩和への期待感があるからです。しかし、2017年1月20日の大統領就任式でトランプ氏が何を語るかはわからない。それによって、株価にプラスの影響が出ることもあれば、マイナスの影響が出ることもあります。それは日本にも言えることです」(永濱氏)

これには、ファイナンシャルプランナーの横山利香氏も同意する。

「ここ数年、日本独自の要因で日本の株価が上がったことはほとんどありません。つまり、今の株価上昇も、日本国内の成長戦略とはほとんど関係ないのです。むしろ今は、トランプ氏の選挙中の発言から多くの人が『ドル買いに動くだろう』と予測し、実際にドル高円安に動いたことによって企業業績へのメリットがクローズアップされ、日経平均も上がっているというだけのこと。方向転換があれば円高に傾き、日経平均がガクッと落ちることも考えられます」(横山氏)

17年の経済を占う意味では、やはりトランプ氏の就任式が非常に大きなポイントになりそうだ。