ネット通販の発達も影響が大きい。以前は本やDVDのような左脳型商品(選択肢が1つしかない商品)は問題ないが、ファッションやバッグ、ジュエリーなどの右脳型商品(人によって好みやサイズが異なる商品)はネットでは売れないと言われた。現物が手元に届いても「感触が違う」などと返品してくるケースが多かったのだ。今は右脳型商品でも質感がわかるように映像を工夫しているし、色やサイズのバリエーションも豊富。返品率はぐっと下がっている。

ショッピングチャンネルが好調なアマゾンの2015年度の日本事業の売上高は約1兆円。業界トップの三越伊勢丹HDの売上高(同1兆2872億円)に迫る勢いで拡大している。アメリカでは既に最大手のメイシーズなどをアマゾンは抜き去ってしまった。ネットを使い慣れているユーザーは量販店などで現物と価格を確認したうえで、価格ドットコムなどで比較して安いところで買う。アマゾンが安ければその場で注文を入れて翌日、うまくすれば当日に家に帰る頃には届く。

家電量販店大手のヤマダ電機が赤字に転落、店舗閉鎖に追い込まれた最大の理由は、在庫を削ったことだ。「回転しない商品は在庫するな」というのは昔ながらの商売の知恵だが、量販店で在庫がなくて「この色はお取り寄せになります」では話にならない。だったらネットでオーダーしたほうが手っ取り早い、となる。物流をガッチリ握ったネット通販に対して、百貨店も量販店も苦しい戦いを強いられている(百貨店で自宅に届けてもらう場合には相変わらず用紙にすべて書き込ませている。ストアカードを持っていても、だ。20世紀の遺物のような仕事の仕方をしているのだからネットに負けるのは当たり前だ)。