満員電車で通勤している男性なら、誰しも人ごとではないのが、痴漢冤罪事件に巻き込まれることだろう。万が一逮捕されてしまったら、精神的・社会的ダメージは計り知れない。

痴漢冤罪で逮捕された直後に警察官からの質問に受け答えする際、下手な発言をすると、言質を取られて濡れ衣を着せられるリスクがある。よって、すぐに弁護士に駆けつけてもらうことが重要。しかし、急に弁護士を探すといっても、どうすればいいのか。

そんな突然の災難に対応できる保険が、昨年発売された。

「痴漢冤罪ヘルプコール付き弁護士費用保険」という商品で、月額590円を支払うと、事件発生後48時間以内(対象外の時間帯あり)に限り、無料で弁護士への相談・接見ができる。

「弁護士保険」と呼ばれるものは以前から存在するが、この保険は「へルプコール」が付くのが今までにない点。電話で頼めば、保険会社に登録している弁護士がすぐに対応してくれる。都心のサラリーマンを中心に好評だという。

発売元はジャパン少額短期保険。会社名からもわかるが、弁護士保険は「少額短期保険」の一種なのだ。

少額短期保険とは、比較的安い保険料で、原則1~2年単位で加入する保険のこと。死亡や医療、各種損害に対応するものまで、幅広いジャンルの商品がある。

取り扱うのは少額短期専門の保険業者で、一般の生保・損保会社では取り扱っていない。代理店となった会社が店頭で販売していることもある。

一般の保険よりニッチな需要に応える商品が多い点が特徴。ペットの医療費をカバーする「ペット保険」、チケット購入後に参加できなかった場合に保険金が出る「チケットガード少額短期保険」、遭難に備える「レスキュー費用保険」、持病がある人やがんサバイバーも入れる医療保険などがよく知られており、一部の人にとっては切実な需要に対応している。