ただし、少額短期保険にはいくつかデメリットもある。
まず、保険料掛け捨ての商品しか存在しない点。掛け捨てに拒否感のある人には、そもそも不向きと言える。
少額短期保険の会社は、一般の生保・損保のように「保険契約者保護機構制度」に加入していないのも不安材料だ。もし会社が倒産すれば、以後、保障がなくなるリスクがある。
また、一般の保険のように代理店などで大々的に販売されておらず、商品の種類や加入方法にわかりづらさも。
さらに、保険金が少額に抑えられている点もデメリットと言えるかもしれない。少額短期保険の場合、原則死亡時の保障で300万円以下、医療の保障で80万円以下などと保険金額に上限が定められ、必然的に小規模な保険しか設計できないようになっている。
そのため、少額短期保険だけでは、いざというときに保障額が不足する可能性もある。
このようなデメリットを知ったうえで、それでもドンピシャで不安をカバーするものがあれば、加入してよかったと思えることもあるだろう。
見方を変えれば、会社の倒産リスクがあるとはいえ、もともと短期で契約終了。ふいにする金額は少ない。保険で不安が少しでも軽くなるなら、お守り代わりに入る価値は十分ある。
少額短期保険には「こんなことまで保障するのか!」という商品が多数ある。何か心配ごとがある人は、リサーチしてみるのも一案だ。
(構成=元山夏香)