天皇陛下の譲位に反対する「専門家」の意見にはびっくりだ!

「専門家」に国家の将来を委ねてはいけないという典型例が今起きている。天皇譲位の議論だ。

専門家はあくまでも専門家。当該領域については色々と物知りなのかもしれないが、視野が狭く総合的な判断は不得意。しかも専門家は自説にこだわり、とにかく自説が絶対的に正しいと信じ切って、他の考えなど全く聞かない。そして一番の難点は、国民の一般的な感覚を読み取る能力が決定的に欠けている。国民は勉強していない愚かな者と見下す傾向も強い。

天皇譲位を検討する有識者会議は、いわゆる専門家にヒアリングを行った。ここで用語の定義を行っておくと、「専門家」とは天皇制関連の研究者や天皇制関連に一家言ある人などその道の専門家のこと。また「有識者」とは、学者や経済人等の一般的にコメントを求められる立場の人だ。専門家と有識者って似たような言葉でちょっとややこしいけど、この区別はこれからの議論に超重要なポイントなのでしっかりと押さえておいて下さい。

その有識者会議によるヒアリングの中で、譲位に反対する専門家から、「天皇は国民の見えないところでただただ祈りをささげて下さればいい」「天皇の公的行為(被災地訪問や憲法に定められていない様々な行事への出席など)が負担ならそれをやらなければいい」「天皇はただ存在すればそれでいい」などと、驚愕の意見が出た。中身については色々議論があるのかもしれないが、それ以前にその物言いがほんと失礼なんだよね。自分が一番賢いと思っているんだろう。

そういうことを言っている連中の顔つきを見たら、もう完全にカビが生えちゃってる。国民の現実の感覚から完全に離れてしまっている。知識、思考の中で妄想して、そのまま化石化してしまっている状態。

今回の天皇譲位の議論についても、専門家の意見をうのみにせず、あくまでも参考意見としながら、天皇制の専門家ではない有識者会議に総合的な視点で「国民の総意」の中身を解き明かしてもらいたい。特に天皇制をこれから支える次世代の視点で。

僕らの世代以後が全く共感できない天皇制の専門家の意見を聞いてどれほど意味があるのか。今後の天皇制を未来永劫支えていく中心は、カビの生えた専門家たちではない。あくまでも次世代だ。

※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.33(12月6日配信)からの引用です。全文はメールマガジンで!!

(撮影=市来朋久)
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