まるでお通夜みたいだった現地の選挙特番

あのおじさんが、ついにアメリカ大統領に!

まあ誰が一番慌てているかって、それはメディアや自称インテリたち。投開票日、トランプ氏が当選確実になったときに、僕はニューヨーク、それもトランプタワーやトランプ氏の選挙本部があったヒルトンホテルのすぐ近くのホテルにいたけど、全米のテレビメディアは一斉に選挙特番をやっていた。

そのときの自称インテリや専門家たちの暗い顔ったらありゃしない。お通夜のようだった。みんな渋い顔をしながらボソボソと言っている。通訳してもらったら、ほとんどが言い訳だった。日本のメディアも、新聞やテレビ番組などは言い訳がましいものばかりだよね。

これからアメリカだけでなく、日本でも、国際政治通、外交通を名乗る自称インテリたちが、あらゆる言葉を使って言い訳をしてくるだろうね。新聞もまだ往生際が悪く、「ポピュリズムの結果だ」なんて、ほざいている。

逆に、「初めから私はトランプが当選すると思っていた!」ということを主張する自称インテリも多く出没するだろうね。

今回の選挙結果ではっきりと言えることは、自称インテリを中心とする政治エスタブリッシュは、自らの政治感覚がおかしかったことを素直に認めなければならないということ。

一番の敗北者はクリントン氏ではない。メディアを中心とする自称インテリだ。

全米のメディアもトランプ批判一色。政策面とういよりも人物評価で。差別主義者、感情型、嘘つき、デマゴーグ……。言いたい放題だったね。

日本の自称インテリも全く同じ。こういうところまでアメリカ追随だ。日本のメディアも直前までトランプ批判をやっていた。投開票日当日も、ずっとクリントン氏が勝つ前提での報道。

アメリカのメディアの雰囲気が急におかしくなってきたのが、開票作業後1時間くらい経ってからかな。激戦州でトランプ氏が大健闘していることが分かり始めてからだ。

このあたりから選挙特番出演のコメンテーターの顔色がどんどん変わってきた。コメントも少なくなり、お通夜状態に。「信じられない、アメリカは終わった」とかね。

それでも自分たちこそが正義だという認識を捨てきれない。

「トランプ勝利」が確実だと分かり始めた現地時間午後10時頃には、アメリカのメディアだけでなく、日本のメディアも慌てふためいていたよ。そしてそのときのアメリカのコメンテーターの顔っていったら……。「茫然自失」とはあーいう顔を言うんだね。

※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.31(11月15日配信)からの引用です。事前予想に反し「トランプ氏勝利」という衝撃の結果をもたらしたアメリカ大統領選挙については、現地取材をもとにメールマガジンで今後たっぷり論じていきます!!

(撮影=市来朋久)
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