「手作り石けん」にも危険性が……
では、その他の石けんはどうだろうか。近年、よく目にするようになった「手作り石けん」。自宅で簡単に作れるとあって、ナチュラルなライフスタイルを実践する女性たちを中心に人気を集めている。身体にも地球にも優しいといったイメージを持つ「手作り石けん」ではあるが、大矢氏は「手作り石けんには良い面と悪い面がある」と、素人による石けん作りに警鐘を鳴らす。
「石けんを手作りすることを安易に考える方が多いですが、実は一部の製造工程には、大変危険な化学反応が含まれています。一般的な作り方としては、油を強いアルカリ(苛性ソーダ)で化学変化させるのですが、このときアルカリ物質が十分に反応せずにいると、出来上がった石けん自体に強いアルカリが残り、肌荒れなどを起こす場合があります。そのため、手作り石けんを使う前にPh試験をするなど安全対策が必要です。また、強いアルカリ(苛性ソーダ)が誤って目に入ると、最悪の場合、失明の危険性も否めません」(大矢氏)
環境によいとされるオーガニック成分配合の石けんについては、「オーガニックそのものを意識として大切にすることは大変重要であり、植物原料を使った石けんなどは、今の時代のひとつの方向性として肯定されるべきものだ」と大矢氏はいう。
ただし日本では、配合された複数の成分のうち、1種類でもオーガニック成分を使っていれば「オーガニック」と名乗れてしまうため、安全性は商品によって異なるということを知っておいた方がよいとも。