際立つJR東海の営業利益率33.2%

『図解! 業界地図2017年版』では、JR東日本、JR東海、JR西日本などの鉄道各社についても15年度の経営指標を掲載しているが、際立つのはJR東海の営業利益率33.2%である。

『図解! 業界地図2017年版』(ビジネスリサーチ・ジャパン著/プレジデント社刊)

首都圏の地下鉄、東京メトロが24.8%で続いているが、他社は高くても10%台。JR東日本17.0%、阪急阪神ホールディングス(HD)15.5%、JR西日本12.5%などである。10月25日に上場するJR九州の16年度予想は13.7%だ。

そうした経営成績が報酬に反映しているのだろうか。従業員平均年間給与は、JR東日本710万円に対して、JR東海は728万円。社内取締役の平均年俸もJR東日本5164万円、JR東海6641万円である。いずれもJR東海が上回っている。

JR東海の営業利益率が高いのは、新幹線中心で赤字路線が多い在来線の割合が小さいためだ。JR東海の在来線を含めた旅客運輸収入1兆2947億円のうち、新幹線収入は92%を占める。JR東日本の場合は、旅客運輸収入1兆8050億円に占める新幹線の割合は、32%にすぎない。

保有車両数で見るとさらに顕著。JR東海は、保守用を含めた新幹線車両が3190両に対して、在来線は1646両にすぎない。JR東日本の場合はJR東海とは逆に、新幹線1377両に対して在来線は1万1583両と、圧倒的に在来線車両が多い。

東京・名古屋間のリニア新幹線開通に約5兆5000億円を投じる予定のJR東海がもう1点、トップに立つものがある。決算書の有形資産に計上している土地価額である。