中国人の「爆買い」が業績を押し上げた
家電量販店のラオックスの1店舗1日平均売上高の推移である。
11年度 259万円(10店舗)
12年度 356万円(11店舗)
13年度 481万円(10店舗)
14年度 625万円(17店舗)
15年度 693万円(33店舗)
(年度 1日平均売上高 店舗数)
長年にわたって経営不振が続き、中国企業の傘下に入って経営の立直しに取組んできたラオックスだが、店舗数を増やすとともに、1店舗1日平均売上高も上昇傾向である。
15年度の店舗数は、前年度比でおよそ倍増。店舗新設に投じた資金は1店舗平均5億円前後である。同時に1店舗平均の従業員とパートは増員になっており、現在のラオックス各店平均の従業員は14人弱、パートは21人強といったところだ。
そのラオックスついて、『図解! 業界地図2017年版』では、11年度以降の主要指標の推移を紹介。たとえば、11年度の売上高営業利益率は「△12.7%」と10%を超える赤字だったが、15年度は「9.2%」と、家電量販店としては異例の高率だったとしている。
商品売上高は、仕入高の1.4倍前後での推移と、ここ5期で大きな変化は見られないが、売上高が10倍近く伸びたことで利益率もアップしたようだ。
もちろん、訪日中国人の「爆買い」が業績好転の最大の要因だが、同じくインバウンド需要の恩恵を受けた百貨店などを含め、“一過性”への依存に対する懸念も指摘。残念ながらその懸念は現実になりそうだ。