インバウンド需要による売上増は剥げ落ちた!?
出版後に発表されたラオックスの中間決算(16年1月~6月)。売上高は、前年同期比で約23%のダウン。営業利益は確保したものの海外事業の縮小などにともなう特別損失が発生、最終赤字に転落した。通年の売上予想1000億円も、650億円への下方修正である。
在庫と売上高から計算する商品回転率も低迷。15年はほぼ2カ月で店頭の商品が入れ替わっていたが、16年に入ってからは5カ月を要している計算だ。
ラオックスは百貨店の「大丸」などに出店しているが、三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、高島屋、エイチ・ツー・オーリテイリングの大手百貨店4社も、16年度に入って売上高が軒並みダウン。とくに免税品売上高の減少が顕著である。インバウンド需要による売上増は、剥げ落ちたということだろう。
インバウンド需要への依存が低かったホームセンターの大手4社、DCMホールディングス、コメリ、コーナン商事、ナフコが、売上高を伸ばしているのとは対照的である。
ちなみに、家電量販店のビックカメラは、大型店による運営のため1店舗1日平均の売上高は、ラオックスの5倍規模で3000万円を軽く上回る。
百貨店は伊勢丹新宿本店、阪急本店、西武池袋本店、三越日本橋本店、高島屋日本橋店がベスト5。それらを含めて百貨店20店舗の1日平均売上高を『図解! 業界地図2017年版』で紹介している。興味のある方は、ご一読を!