弘兼憲史の着眼点

▼足腰が衰えないように仕事中も足首に鉛

熊谷さんは、いわゆる「イケメン」経営者として知られています。ただ、ビジネスの世界では、イケメンというのは実は不利。格好がいいだけで仕事ができないと思われがちだからです。

弘兼「同世代のIT企業の社長に、ライバル心はあるものですか?」熊谷「いえ、やっていることが違います。ただ、非常に刺激は受けています」

今回、熊谷さんと対談して、端正な顔の向こう側にある凄みの根源を知りました。かつて、柳井正さんから、経営を勉強するには、小さな店でいいから、自分でやることだと聞いたことがあります。熊谷さんはそれを17歳のときにパチンコ店で実践していた。

もう一つの強みは、自己管理力の高さです。熊谷さんはこう言いました。

「夢のベースになるのは健康なんです」

多忙な中でも、必ず週に2日はパーソナルトレーナーの指導のもと、専用のジムでトレーニングを行っているそうです。ベンチプレスに至っては、100キロを上げるとも聞きました。

加えて、座りっぱなしで足腰が衰えがちなので、くるぶしに鉛――アンクルウエートをつけて仕事をしているそうです。「漫画を描いていると筋力が衰えます、アンクルウエートを付けたらどうですか」と勧められたのでした。

弘兼憲史(ひろかね・けんし)
1947年、山口県生まれ。早稲田大学法学部を卒業後、松下電器産業(現・パナソニック)勤務を経て、74年に『風薫る』で漫画家デビュー。85年『人間交差点』で第30回小学館漫画賞、91年『課長島耕作』で第15回講談社漫画賞、2003年『黄昏流星群』で日本漫画家協会賞大賞を受賞。07年紫綬褒章受章。
(田崎健太=構成 門間新弥=撮影)
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