ダ・ヴィンチや、ヴェルディなど、すぐれた才能を惹きつけるミラノの魅力は何か?

創造都市の条件を考えるうえで、重要な問題である。

一般に、ある街が創造都市になるための条件として、「寛容」と「多様性」が必要だとされる。新しい考え方や、これまでの常識にとらわれないやり方に対して、その都市が寛容であること、そして、その都市に、様々なバックグラウンドの、多様な人たちが集うことが重要である。

ミラノは、歴史的に、創造の自由を許容する空気があり、だからこそ数々の芸術家が惹きつけられてきたのであろう。そして、その伝統は、今も続いているように思われる。

ミラノの街を歩いていると、確かに、新しい試みに対して寛容な空気を感じる。至るところにギャラリーがあって、様々な絵が飾ってある。公園では、音楽で踊ったり、楽しそうにパフォーマンスをしている人たちがいる。

なによりも、ミラノ・サローネの期間中は、全世界からクリエーティブを仕事としている人たちが集まって、街の空気を作っている。その「祭り」のような雰囲気が、創造都市としての推進のエンジンになっていることは疑いない。

日本でも、東京をはじめとする数多くの街が、創造都市としての注目を集め始めている。アニメやマンガなどのコンテンツが、世界中から人を惹きつけている。

果たして、どれくらい「寛容」と「多様性」を維持できるか。これからの日本の「創造都市」づくりに期待したい。

(写真=AFLO)
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