中国人をはじめとする、海外からの訪日客の旺盛な消費が「爆買い」などと呼ばれて久しい。だが将来的には、このインバウンド消費を超える巨大市場に成長すると注目されるのが「越境EC」だ。これは、海外の人や企業がインターネットを介して、日本企業と商品取引を行うこと。近年、決済や物流など、電子商取引のインフラ整備が進み、外国人が日本企業から商品を購入する際の不便や不安が減ってきている。
ジャパンEコマースコンサルタント協会・代表理事の川連一豊氏によると、特に中国人は買い物において「高品質・本物・安心・安全」といったキーワードを重視し、この条件に合致する日本製品にこだわるという。「体内に入るもの、子供に与えるものに対しては特に日本製にこだわる。中国国内で買うより、日本から直接取り寄せたほうが安くなるものも多い。売れているのは化粧品、水筒、紙おむつ、粉ミルク」(川連氏)。これまで訪日しないと買えなかった日本製品が、ネットを通じて手軽かつリーズナブルに購入できるようになってきた。川連氏によると、日本企業が越境ECで成功するポイントは、利用客に対して、(1)詳しい商品情報とその背景、(2)速さ・安さの利便性、(3)サポート・フォローという安心感、という「おもてなしの心」をアピールすることだという。
(AFLO=写真)