2017年「業界再編」はさらに加速する
いま、さまざまな業界で業界再編が進んでいる。『図解!業界地図 2017年版』では、「特集近未来予想図」をテーマとして、主な業界のM&A(企業の買収・合併)についてページを割いている。
流通業界ではファミリーマートとユニーグループ・ホールディングス(HD)に続く再編が気になるところだ。
創業家が反対を打ち出した出光興産と昭和シェル石油、それにJXHDと東燃ゼネラル石油の両陣営の統合の行方にも関心が及ぶ。取り残された形のコスモエネルギーHDの動向も含めて要注目である。
原油の精製から販売までを手がけることから「元売」と呼ばれた石油会社は、日本石油、三菱石油、出光興産、共同石油、大協石油、丸善石油、昭和石油、シェル石油、エッソ石油、モービル石油、キグナス石油、ゼネラル石油など20社近く存在したが、再編に次ぐ再編で2つか3つのグループに集約される方向だ。情勢によっては三菱ケミカルHDや住友化学など、石油化学メーカーを巻き込んだ大再編があっても不思議ではない。
16年4月にスタートした電力小売自由化により、電力各社間や異業種を含めた合従連衡も不可避だろう。
中堅医薬メーカーの小野薬品工業の抗がん剤「オプジーボ」で話題を集めている製薬業界だが、国内大手の武田薬品工業やアステラス製薬にしても、売上規模では世界10位に遠く及ばない。規模で劣る国内製薬会社は、海外大手とどうやって戦っていくのか。海外勢に飲み込まれることもあるのだろうか?