販売台数1000万台の攻防、トヨタはどう動くか?

自動車業界では、日産自動車が三菱自動車の子会社化に動いたことで、ルノー(仏)を含めれば、グループ世界販売台数は1000万台に迫る。今後はトヨタ自動車、VW(独)、GM(米)とともに、販売台数1000万台での厳しい攻防になる。

 

さらにいえば、日産・ルノーはダイムラー(独)と資本提携。GMはホンダと次世代型燃料電池システムの共同開発に着手している。それらの関係がさらに進みグループを形成するようなら、1500万台前後の販売競争に突入する。

ダイハツ工業を完全子会社化したトヨタも、このまま静観を決め込むわけにはいかないだろう。トヨタが選ぶとしたら相手先はどこか?

資本関係や提携関係にある富士重工業やいすゞ自動車、マツダといった国内勢に加え、海外勢のグループ化に動いても不思議ではない。高級車のBMW(独)やフェラーリ(伊)との結婚が100%ないとは言い切れないだろう。

『図解!業界地図 2017年版』では、資本関係や提携関係について可能な限り触れている。それを手がかりに、読者の知識や読みも加えることで、将来的な業界再編やM&Aを予測することができるケースもあることだろう。M&Aや事業再編は、当該企業で働くビジネスパーソンや関係者、就職希望者にとっては一大事。投資家にとっても見過ごすことができない出来事である。

人口減少による国内市場の縮小が避けられない以上、今後の持続的成長を目指す国内企業にとっては、海外市場の開拓が重要なテーマになってくる。事実、多くの国内企業は海外事業の拡大に向けて動いているところだ。本書では、各企業の海外戦略についても可能な限り紹介している。

(宇佐見利明=撮影)
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