シード・プランニングが発表した調査によると、2015年の国内のドローン(産業用無人飛行機・ヘリコプター)関連市場は38億円だった。同市場は機体本体と関連サービスを合計して算出している。20年に634億円、24年には2271億円まで成長する見込みだ。

ドローン市場規模予測

現状、産業用ドローンはどのような場面で利用されているのだろうか。ヤマハ発動機UMS事業推進部営業部長の長谷吉博氏は「日本では農業分野での利用が主です。水稲の農薬散布用によく使われています。また、ヘリから水田に種モミを散布したり、肥料をまくなど、刈り取り以外の業務にも用途が広がってきています」と語る。米以外に、麦や馬鈴薯、蓮根などでも活用が進んでいるという。

今後は農業以外の分野でも利用が増える見込みだ。「福島における放射線量計測、火山観測など、人が近づけないところで仕事をする用途での市場拡大が期待されます」(長谷氏)。ヤマハ発動機は18年に新しいタイプのドローンの市場投入を予定している。現行の製品が羽根1枚でガソリン駆動なのに対し、複数羽を持つ「マルチローター型」で、電動になるという。山間地や狭小地、市街地など小さな農圃での使用を前提にしており、価格・サイズ共に現行モデルより下がる予定だ。

(大橋昭一=図版作成)
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