「ポスト舛添に女性はダメだ」の理由

政治資金などをめぐる問題で、ついに辞任した東京都の舛添要一知事。民進党など野党は参院選をにらみ、舛添氏を都知事選で支援して当選させた自民、公明両党への批判を強めている。自民党は反省の姿は見せつつも次期都知事選の候補者選定作業に着手しているが、その舞台裏は前代未聞の醜い駆け引きが行われている。

「本当に慚愧の念に堪えないし、都民の皆様方に申し訳ないという気持ちでいっぱいだ」

自民党東京都連会長の石原伸晃経済再生担当相は6月15日、舛添氏の辞任を受けて険しい顔を見せた。前回知事選の候補者選定は、当時人気が高かった舛添氏の擁立を石原氏ら都連最高幹部が主導。他の候補者を推す声もあったものの、都連執行部が世論調査の結果などを踏まえて決定した。

健全な企業であれば、自らの失敗ではなくてもミスがあればトップが引責辞任する。だが「石原都連会長には引責の『い』の字もない」(都議会関係者)との声が漏れる。実際、SNS上には「まったく反省がない」「石原氏はなぜ責任をとらないのか」などの書き込みが目立つ。

自民党都連の対応が奇妙なのは、それだけではない。都連は次期都知事選の候補者選定を始めているが、早くも都連最高幹部の1人は「ポスト舛添に女性はダメだ。女性なんて、あのヒラリー・クリントンでも負けるんだから」と周辺に漏らしている。自民党内には小池百合子元防衛相や丸川珠代環境相、片山さつき元経済産業政務官を推す声が出ており、女性蔑視とも受け取られかねない発言は女性候補擁立の可能性を早急に消しさることを狙ったものとされる。