入社3年間の評価が20年後にも影響する──。組織行動学には、そんな調査結果がある。しかし諦めるのは早い。逆転の方策はある。

転職を繰り返す若者はなにを求めているか

どうしても上司と反りが合わないということもあるでしょう。残念ながら部下は自分の上司を選ぶことはできません。きちんとした評価のできない上司に仕えるのは大変だと思います。しかしそこで投げやりになってはいけません。組織のなかでは、評価のできない上司も、実力のある部下も、周囲の人間がきちんとみています。そして実力のある人はどこかのタイミングで引っ張りあげられるものです。

「セレンディピティ(serendipity)」という考え方があります。「偶察力(偶然を察知する能力)」とも訳される考え方です。多くのビジネスチャンスは偶然のような奇跡からスタートしています。いつ、どんなチャンスが来るかはわかりません。果報を寝て待つのではなく、常日頃から構えておくことです。キャリア形成のパターン自体も、「入社後3年でその後の会社人生が決まってしまう」といった伝統的なものから、セレンディピティを発揮する新しいパターンへの変化が進んでいます。