人は嫉妬する動物だ。しかし、一流は他人と比較してむやみに落ち込まない。なぜ、平静な心理を保てるのか。習慣化コンサルタントの古川武士さんが、具体的方法を教える――。

なぜ、他人に嫉妬しない人は大逆襲できるのか?

他人に嫉妬することはありませんか? 私はあります。

では、うわさ話やゴシップ記事を見聞きして、妙な安心感を得ることはりますか? 私は時々あります。

例えば、あまり好きではない有名人のバッシング記事に溜飲を下げるような感覚です。その人物に対して心の奥で抱いていた嫉妬心や敵対心のようなものが一時的に解消されるのだと思います。

人は嫉妬する動物です。

でも、本当はそんなネガティブな気持ちから解放されて「もっと前向きに考えたい」「嫉妬している自分が嫌だ」という人に向けて、「嫉妬する気持ちを消す習慣」を書きたいと思います。

嫉妬心を消すには、思考習慣が重要です。

▼嫉妬心が生まれるメカニズムとは

「やっぱり、お金のある人は心が冷たいよねー」
「ちやほやされて世間知らずだからうまくいかないのよ」

お金持ちはいいな~というのが正直な気持ち。でも、こうやって他人をくさすようなやりとりをすると、今の(「お金のある人」ではない)自分でいることを肯定できる気持ちが生まれることがあります。

また、同僚が先に結婚したり、仕事で大きな成果を出したり、友人に彼氏・彼女ができたりした場合は、自分が不幸になった気がすることがあります。本当は自分の状況は何も変わっていないのに、他人が成功すると自分の格が下がったような感覚に襲われるものです。

特に、今まで同じレベルだと思っていた人が、ちょっと先にいくと嫉妬心が芽生えがちです。自分が置いてけぼりになって不幸になった気がするのでしょう。

嫉妬心が生まれるのは、ちょっと先に行っている人、同じだった人が頭ひとつ先に行った時。もともと、自分より先に行っている人がさらに成功した場合は「憧れ」になるにもかかわらず、同レベルの人が成功するとたちまち「嫉妬心」になってしまうわけです。

注目してほしいのは、憧れるにしろ嫉妬するにしろ、「他人との比較」によって自己評価(結果)が影響されているということです。

この自己評価は、私たちの感情のあり方を大きく左右する要因です。侮れません。そして、自己評価が安定している人ほど、ストレスに強く、感情生活も豊かになるのです。