ここからが重要なポイントだ。すべてのクレジットカードの番号は、この15ケタの合計の数と最後16番目の1ケタの数を足した合計が、10の倍数になるように設定されている。したがって今回は16ケタ目が「5」となる。

もし16ケタのうちどれか1ケタの数字をミス入力したとしよう。たとえば、4ケタ目の「4」を「5」と打ち間違えた場合、16ケタの合計が「61」になり10で割り切れない。だから「不当な番号」と判定される。どのケタでミス入力しても同じだ。

この最後の1ケタの数字を「チェック・ディジット」という。ディジットとは数字や尺度の単位を意味し、チェック用の数字ということ。そして、このチェック・ディジットは、実は私たちの身近なところでいろいろ活用されているのだ。

たとえば「受験番号」である。大学入試のセンター試験や予備校の模試などの受験番号は、最後の1ケタがチェック・ディジットになっている。試験は何万人規模で受けるため、必ずミスする人が出る。そこでセルフチェック機能として、自動的に間違いを補正する仕組みになっているのだ。ただし、1ケタの間違いに限る。

このようにLuhnのアルゴリズムは、任意の1ケタの間違いや、隣接する数字の順序間違いを検出でき、ミスが起きても大丈夫なようになっている。こうした誤りの検出訂正を「符号理論」という。CDもそうだ。傷がついてもきちんと音楽が鳴るのは、少しの誤りは自動的に補正されるようにつくられているからなのだ。

さてせっかくの機会なので、自分のクレジットカードの番号で確認してみてはどうだろう。

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