安倍晋三、中曽根康弘、石破茂……。日本の命運を握る権力者たちが坐禅に通うことで知られている臨済宗・全生庵。七代目住職が禅の教えから、運とどう向き合うべきかを語る。

会社のために一所懸命働いているのにまるで出世をしない人もいれば、周囲から「あんな奴」と思われている人間が、常務になり専務になり、社長にまでなってしまうことさえある。サラリーマンの世界には、こうした不条理がたくさんあるらしい。

そんな不条理に直面したとき、多くのサラリーマンは「運」という言葉を使うのではないか。曰く、「あいつが専務になれたのは実力じゃない、運がよかっただけだ」。

こうして運という言葉を使うとき、われわれは無意識のうちに、自分の外側に原因を求めている。失敗したときだけでなく成功をしたときも、「今回は幸運が重なって」というように、自分以外のものに成功の理由を見出そうとする人が多い。