人間の本質にかかわる「信頼」について、世界の宗教はどのように扱ってきたのだろうか。宗教家への取材から、その意外な解釈が見えてきた。
臨済宗住職 平井正修氏●臨済宗国泰寺派全生庵第七世住職。1967年、東京都生まれ。学習院大学法学部卒業後、静岡県三島市龍沢寺専門道場にて修行。2002年から現職。安倍晋三首相、中曽根康弘元首相もこの寺で禅を組んだ。

2013年の流行語のひとつに、「お・も・て・な・し」があった。

おもてなしとは本来、極めて禅的な言葉なのだが、IOC総会で2020年のオリンピック開催都市として「TOKYO」の名前が読み上げられた瞬間、おもてなしとはかけ離れた光景が繰り広げられたことは、返す返すも残念であった。