日本の「失われた20年」はいま、異なる意味合いを持ち始めている。バブル崩壊からゼロ年代の途中までは、経済の停滞、構造改革の滞り、社会の閉鎖性に国際的な非難が寄せられた。しかしイラク戦争の苦戦、リーマン・ショックに続く世界不況を経たいま、果たして日本問題は特殊だったのかが問われ始めている。

欧州危機は、サブプライムローン破綻をきっかけとしつつも、それにとどまらない問題を浮き彫りにした。それは、先進国とはいえ分不相応な歳出を続け、資本主義と民主主義が互いに甘えて責任回避しようとする構図であった。移民や難民をめぐる内政や軋轢も、欧州のアキレス腱である。

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