科学の仕事に「物差しを作る」という大事な作業がある。たとえば距離や重さを測るには、巻き尺や体重計が必要だ。計測器にはメートルやキログラムといった世界共通の目盛りが付いている。

同様に、時間を計るのは時計であり、年月日や時分という単位が用いられる。そして地球が刻んだ時間を決めるのは地質学の仕事だ。それも10年や100年ではない。何千年あるいは何万年という時間を正確に測定したい、と私たち地球科学者は長いあいだ思案してきた。
この仕事に大きな貢献をした研究グループがあり、その1人が二十余年に及ぶ試行錯誤の物語を著した。『時を刻む湖』は、福井県・若狭湾岸の一角にある水月湖(すいげつこ)が、過去5万年の時を刻む「世界の標準時計」となるまでのサクセス・ストーリーである。
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