――海外マネジメントの見直しも、同じように収益力向上のために必要なものか。

【越智】その通り。すべてを日本からコントロールするのは無理がある。案件ごとに本社の指示を仰ぐようなビジネスのやり方では、世界のスピードについていけない。法律や商慣習なども国や地域によって違う。また、いつも日本が中心では、2万数千人いる海外のグループ会社の社員に一体感をもって働いてもらうのも難しい。それで、日本では事業戦略のマネジメントを行い、日々のオペレーションや人材育成などは現地に任せるようにしていく。海外のテクニカルサービスセンターやマーケティングセンターも増やしていく。

――グローバルな視点は、テキサス時代に身に付けたものか。

【越智】そうかもしれない。テキサスでは当時進出してきたばかりの韓国企業の工場に半導体用薬品の営業に行ったが、いきなり「普通の会社は年に2~3回製品プロセスをバージョンアップするが、うちは4~5回変える。それでも対応できるか」といわれ、これが世界のスピードなのかと実感した。スピードがなければ世界では勝てない。身をもって得た教訓だ。

三菱ケミカルホールディングス社長 越智 仁
1952年、愛媛県新居浜市生まれ。京都大学大学院化学工学研究科を卒業後の77年、三菱化成工業(当時)入社。97年米テキサスウルトラピュア社へ。2012年から三菱レイヨン社長(現職)、15年4月から三菱ケミカルホールディングス社長を兼務。

出身高校:愛媛県立西条高校
長く在籍した部門
:黒崎工場アンモニア課
座右の書(または最近読んだ本)
:特になし
座右の銘
:物事には必ず解がある
趣味
:ゴルフ、ウオーキング