こうした情報の共有化は、吉田さん自身のスケジュールについても同様だ。彼のスケジュールはグーグルカレンダー上で公開されており、社員は空いている時間におのおのが予定を入れていく。そのため、吉田さんはこれまで自身の予定を管理するための秘書も雇ってこなかった。グーグルカレンダーは前日の夜と朝に確認。その日の状況に合わせてスーツを着るかどうかを判断して出社するという。

ただ、それだけでは社員の都合で瞬く間に1日の予定が埋まってしまう、という問題もある。そこで彼は1週間のうちに半日程度、事前にスケジュールをブロックしておく。常に予定表に空白を確保することには、2つの効用があるという。

「1つは優先順位の高い会合や面会を入れられること。もう1つは予定が入らなかった際、未来の事業や戦略をイメージする時間に充てられることです」

そんなときは誰にも邪魔されずに1人で思考を深めようと、社員に黙って近くのコワーキングスペース(共同オフィス)に行くこともある。

「いまは飛行機の予約、宿の手配まで自分でやっていますが、今後は秘書を導入する予定です。それによってできた時間を、事業について思考する時間に充てたいですね」

【QUESTION】どうやって集中力を高めているか?
昼食後に30分程度、仮眠の時間をとるようにしています。場所は会社のデスク。椅子は座り心地がよくて、リクライニングできるバロンチェア(岡村製作所製)を使っています。思考を深めるためには、十分な睡眠が不可欠だと思います。1日の睡眠時間は5時間ほどですが、もっと欲しい。昼に仮眠の時間がとれないときは、移動中のタクシーで寝ることも多いですね。
(向井 渉=撮影)
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