人には同じ24時間しかないのに、なぜ仕事の進み具合に差が出るのだろう。成果を挙げる人たちの話を聞いてみると、業界は違っても、段取りに対する共通の意識が見えてきた。
1対1のメールを創業時から禁止する理由
クラウドワークスは、吉田浩一郎社長が2011年に創業したベンチャー企業だ。同社は、インターネットを通じて仕事の受発注を行うクラウドソーシング事業を展開している。
サービス開始からの2年で、四半期ごとの契約額は43倍以上に急成長。現在、同社には、電通やサイバーエージェント、リクルートが総額15億円近くを出資する。事業のさらなる拡大の中で吉田さんは、年に200回の講演を行いながら、ときに1日10件以上のアポイントをこなしている。多忙なスケジュールを組み立てるうえで彼が「大きなポイント」と挙げるのは、「会議を極限まで少なくする」ことだ。
「報告のための会議をすべて排除しました。会議とは本来、全員が事前に資料に目を通して発言しなければ意味がありません」
代わりに同社では契約状況などの情報を社内システムですべて公開、約500の項目を1日単位で誰もが比較できるようにしている。各部門長とのやり取りも30分に限定。これも定例化することなく、必要がなければ行わない。
「うちでは1対1のメールも創業時から禁止しています。すべての情報をオープンにすれば、社員が社内情報を集めるために時間を費やすこともありません。情報の偏りは派閥を生みますから、それは私も含めみんなのストレスにもなってしまう」