富岡幸雄(とみおか・ゆきお) 1925年生まれ。中央大学名誉教授、商学博士。横浜高等商業学校(現横浜国立大学経済学部)、中央大学法学部卒業、同大学院商学研究科修士課程修了。国税庁を経て中央大学商学部教授。現在は日本租税理論学会理事、税務会計研究学会顧問。
税務会計学の創始者であり、御年89歳を数える富岡氏。かつて中曽根内閣当時、売上税導入に真っ向反対の論陣を張り、その廃案に一役買ったという同氏が「遺言のつもりで書いた」という本書は、グーグルほかグローバル企業の節税手法や富裕層への優遇ぶりを盛り込みつつ、「大企業が法人税を真っ当に支払っていれば、消費増税の必要ナシ」と明快に主張。発売約1カ月で3万部超という勢いだ。
その一因は恐らく本書の帯にある。「ソフトバンクの納税額500万円」という煽り文句に目を奪われる。が、これは同グループの持ち株会社であるソフトバンク単体のもので、同社を含む売上高6.6兆円の巨大コングロマリット全体の納税額ではない。ここをあえて混同させている、というのが本書に批判的な人々の見方だ。一般に完全子会社・関係法人株の配当全額と、それ以外の投資先の配当の50%については、二重課税を避けるために「益金不算入」として課税額から除外される。納税額が少額となるのはそのせいなのでは……。
「そういう疑問は百も承知で、連結・単体を問わず一律に割り出した大企業の法人税額を掲載しました。(ソフトバンク単体の)純利益に対し500万円はやはり少ない」
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(石橋素幸=撮影)


