辻田真佐憲(つじた・まさのり) 1984年、大阪府生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、同大学大学院文学研究科修士課程中退。単著に『世界軍歌全集 歌詞で読むナショナリズムとイデオロギーの時代』(社会評論社)、監修に『大名古屋軍歌』(ぐらもくらぶ)など。

日本史上、最も国民の心を掴んだ音楽とは何か。1984年生まれの辻田真佐憲さんは「それは軍歌です」という。終戦までに作られた曲は1万超。辻田さんはそれらを徹底的に集め尽くした。

「もともと軍艦や戦車が好きだったのですが、中学生のときにその延長で興味を持ちました。単純に物騒なことを歌っているだけだと思ったら、著名な作家が文学的修辞を駆使している。メロディより歌詞に関心をもち、資料を調べ始めました」

「時なきままに点火して、抱き合ひたる破壊筒」と歌う『爆弾三勇士の歌』は、歌人・与謝野寛の作詞である。人々の心を掴むためには、歌詞やメロディに工夫をこらすのは当然だ。半年で60万枚を売り上げた『露営の歌』、ミリオンセラーとなった『愛国行進曲』など、軍歌は当時の人々がこぞって買い求め、そしてレコード会社を儲けさせたポップソングだった。

(遠藤素子=撮影)
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