全部買うか、一部を買うかあなたはどっち?
男子たるもの、セカンドハウスに対する憧れは、なかなか冷めやらぬもの。近年は、多様な持ち方が現れている。人気のリゾート地に別荘を所有する王道もあれば、1室の所有権を共有したり、入会時に預託金を預けて施設を利用する「会員制リゾートクラブ」も最近は目立つ。両者の違いやメリットを考えてみよう。
別荘の最大の特徴は、人気のリゾート地に不動産を所有するという「ステータス」を得られることだろう。一般的に、自宅を購入する際に主導権を握るのは妻というが、こと別荘に関すると夫にシフトする。ログハウス調やガラス張りの駐車場など、男の夢を実現する場所になるようだ。新築ならずとも中古物件なら幅広い価格帯で市場に出回っている。安く購入してリノベーションを楽しむのも、別荘購入の醍醐味のひとつだろう。富裕層が余暇を楽しんだり、近隣に住むオーナー同士がコミュニティーを築き人脈を広げるきっかけに使うというのはもちろん、リタイア層が老後の安住の地として買うというケースが依然目立つ。
ただし最近は、若い世代を中心に、自分らしい生き方を追求するために高速道路や新幹線など交通インフラが整ったリゾート地に別荘を持つこともあるという。房総に家を持ち、毎朝サーフィンを楽しんだ後に出勤するビジネスマンもいる。
一方、会員制リゾートクラブは手軽にセカンドハウスを所有したい向きに人気が高い。一戸建てタイプから、ホテルに近いマンションタイプなど、物件のスタイルはさまざまだ。入会費や預託金を支払って会員になり、1室の利用権・所有権を年1週間単位で割り当てられる「タイムシェア型」がメジャーな運営方式で、会員は権利を持つ週なら、予約なしで施設を利用できる。購入したポイントの範囲内で、好きな部屋を先着順で利用できる「ポイント制」を採用するクラブもあり、使い方は多岐にわたる。1軒購入するほどではないが、所有感も満たせるだろう。
会員制リゾートクラブの魅力としてまず挙げられるのは、値段の手ごろさだ。複数名での所有(もしくは利用)なので、別荘を1軒持つより安くなるケースがほとんど。利用希望日が重なれば抽選になるなど、個人所有のように自由に使えるわけではないが、物件の維持管理や修繕、清掃の必要がないのもメリット。温泉やプール、レストランなど共用施設を低価格で使えることも多い。複数の拠点を持つクラブなら、各地の拠点網を利用し、季節ごとに全国のリゾート地を巡ることだって可能だ。セカンドハウスの持つ優雅さを、全国を回遊しながら楽しめる。
双方にメリットがあるのは、おわかりいただけると思う。大事なのは、セカンドハウスを持つことで「何がしたいか」を明確にして、自分に合ったスタイルを選ぶこと。雑誌やインターネットで物件情報も得やすくなったいま、急がずにゆっくりと探すことをおすすめしたい。