ビジネスにおけるスピード感は年々、速度を増している。外出中でも、電話やメールに即刻、対応するのは当たり前。膨大な情報の精査も瞬時に行わなければ、乗り遅れて損害を出すことになりかねない。

そんな時代においては常に緊張や不安を抱えながら、ハードワークをこなさなければならない。このとき、酷使されているのは肉体だけではない。実は、脳も悲鳴をあげていると精神科医の西多昌規さんは言う。

「脳は長時間、過度の緊張状態に置かれると、オーバーワークで働きが鈍くなります。この状態を続けると、知らず知らずのうちに脳の処理能力が低下し、キレやすくなったり、イライラしたり、頭が真っ白になったり……。それらはすべて、脳がテンパっている証拠なのです」

すなわち、仕事への向き合い方を見直し、脳にかかる負荷をいかに減らすかが、ビジネスの成否を分けるともいえるわけだ。

「ただし、脳への負荷はまったくなくしても、よい結果に結びつかない。パフォーマンスを高めるよう工夫をすることも大切です」

こう語るのは心理学ジャーナリストの佐々木正悟さんだ。その具体的な方法を2人の回答から探った。これを習慣にすれば、ハードワークを楽しめるようになるかもしれない。