もうひとつ、内藤氏がセクハラに関する謝罪で有効だと話すのが、「反論応酬話法」と呼ばれる話し方だ。
これは、怒っている相手に質問をして、意見を引き出すというもの。例えば、ある飲食店の客が「この店の味は落ちたね」と憤慨したとしたら、店側は最初に期待に応えられなかったことを詫びたうえで、「どのように味が落ちたか、今後のためにお教えください」と善後策を聞き出すというのだ。
「例えば、飲み会の席で酔って『○○さん、最近、すごくきれいになったねぇ』と言ったことをセクハラだと訴えられたとします。そんなとき上司は、女性に『僕は親しみを込めた表現のつもりだったんだけど、嫌な気持ちにさせてしまったんだよね。どのあたりが気に障ったのか聞かせてくれませんか』と質問するのです。セクハラ意識の欠如を正直に認め、相手の気持ちに寄り添った形できちんとお詫びするのも問題を大きくしない方法です」
なお、謝罪時は当人(女性)と1対1ではなく、第三者を交えて会うことも大切なエチケットだ。
謝罪の急所:必ず第三者を交えて、平謝り
高井伸夫(たかい・のぶお)
弁護士。1937年生まれ。東京大学法学部卒業後、1963年に弁護士登録。企業の雇用調整によるリストラ問題、企業再生の各種相談や講演活動をおこなう。
内藤誼人(ないとう・よしひと)
心理学者。立正大学講師。有限会社アンギルド代表としてコンサルティング業務をする一方、執筆業に力を入れる心理学系アクティビスト。
弁護士。1937年生まれ。東京大学法学部卒業後、1963年に弁護士登録。企業の雇用調整によるリストラ問題、企業再生の各種相談や講演活動をおこなう。
内藤誼人(ないとう・よしひと)
心理学者。立正大学講師。有限会社アンギルド代表としてコンサルティング業務をする一方、執筆業に力を入れる心理学系アクティビスト。
(大塚常好=構成)