今年8月、米グーグルは無人機による配送システムの開発の進捗を公開した。米アマゾンやドミノピザも実用化に向けて開発を進めるなど、無人航空機の需要増とともに、操縦士の確保が急がれている。

小型無人航空機の試験飛行を行う、インドの国立航空宇宙研究所の科学者。(写真=時事通信フォト)

無人機の開発は軍事目的のみならず、商業用途でも活発化している。現在非軍用の利用が禁止されている米国でも、2015年9月までに民間の無人機が運行開始することが決まっており、また欧州でも同様の動きがあるため、世界的に一気に需要が拡大する見込みだ。AUVSI(国際無人機協会)のレポートによると、無人機は15年から10年間で821億ドルの経済効果を創出するという。

米国内ではすでに数十の大学で無人機に関する専門コースを開設・開設予定があり、政府も後押ししている。では、彼らの処遇は。米空軍の場合、「有人機のパイロットが『1級市民』なので、それと比べて無人機のオペレーターは『2級市民』扱いされる傾向がある。軍の部内では無人機オペレーターのステータスがなかなか高くならない状況にあるので、士気の維持や人材の確保が課題になっているようだ」とテクニカルライターの井上孝司氏は話す。商業用が解禁されれば人材不足はさらに深刻だ。10万ドル以上の年収を提示する大手企業も登場しており、今後さらなる厚遇が見込まれよう。

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