4. 謝りながら食い下がる
お詫びの「中身」より代替案の「数」が重要
失敗を取り返すリカバーの方法には2種類あります。ひとつは「過去のリカバー」。失敗の原因を順序立てて説明すること。これはいわゆる「言い訳」です。多くの場合、リカバーはそこで終わってしまいますが、もうひとつ覚えてほしいのが、「未来のリカバー」です。失敗の原因が自分にあったことを認めながら、「そこで私なりに努力できることがあるんですが……」とこれから取り組める代替案を示すのです。男性はちょっとしたきっかけで、アンチからファンに一転して変わります。昨日の敵は今日の友、というわけです。誠意を持って代替案まで示されれば「確かに失敗はあったが、気概があるじゃないか」とその人を見直す可能性がある。ピンチをチャンスに変えることができるのです。
代替案の出し方にもテクニックがあります。それはひとつだけではなく、複数の案を挙げること。理想の数は3つです。極端にいえば、中身はどうでもよくて、3つという数字が重要です。ほとんどの人は2つ以下の代替案しか用意しませんから、相手は3つ以上の代替案を示されると「こいつは頑張ってきたな」という印象を持ちます。
そして相手にどの代替案にするかを選んでもらいます。これは相手の「自己決定欲求」を満たすためです。自分の意思によって採用したという実感から、代替案に愛着が湧き、その前にあった失敗の存在感が薄らぎます。
内容はどんなに拙いものでも構いませんから、まずは代替案を示すことです。それは謝るように見せつつ、相手を自分の思惑に引きずり込んでしまう絶好の機会になります。