真面目は美徳であることは間違いない。しかしどんなときも頑なに真面目であろうとするのは危険だ。自分で自分を追い込んでしまい、心を病むことも少なくないからだ。

精神科医・医学博士の西多昌規氏は、「向上心が強い真面目な努力家ほど、メンタル面で不健康になりやすい」と警告する。

「現代は、真面目にがんばれば何とかなるという時代ではありません。努力しても業績はあまり上がらないし、労働環境も悪化しています。海外とのやりとりも増え、時差の関係で昼夜を問わずメールが来る。同僚との会話もなく、ただ1日中パソコンに向かうだけの職場もある。経営の合理化で、一人当たりの仕事量も激増しています。そういう環境でひたすらがんばるのは、不眠やうつ病などになる危険を大いにはらんでいるのです」

自分の身を守るためにも、「真面目スイッチ」をオンに入れっぱなしにするのはやめたほうがいい。

どうしても不真面目になることに罪悪感があるという人は、「これも病気にならないためだ」と考えてみてはどうだろう。

実際の話、もし無理を重ねた揚げ句、うつ病になってしまったら大変なことになる。仕事を失い、経済的に不安定になるだけでなく、さまざまなデメリットが生まれる。なかでも意外と知られていないのが、うつ病の既往症があると、生命保険や医療保険に加入しにくくなることだ。

住宅ローンを組むには団体生命保険に加入しなくてはならないが、これにも入れない可能性がある。ということは、うつ病を患ったことのある人は一生マイホームを買えないということにもなりかねない。

このような悲劇を避けるにも、たまに「真面目スイッチ」をオフにすることは不可欠だ。そのための方法が、次に紹介する7つの「悪知恵」なのである。